AutoCADの印刷について情報をお探しですね。
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AutoCADの印刷設定ガイド|線の太さを決める「CTB」ファイルの作り方と保存場所
AutoCADで図面を作って、いざ印刷してみたら「線が細すぎて見えない!」「なぜか全部カラーになってる…」「線のメリハリがなくて図面が読みづらい…」なんて経験、ありませんか?画面ではバッチリ見えていても、印刷設定がちゃんとできていないと、思い通りの図面は出てきません。
AutoCADで印刷するとき、線の太さや色をコントロールする大事な設定が「CTBファイル(色従属印刷スタイル)」です。
この設定ファイルを使いこなせれば、製図のルールに沿ったキレイな図面を効率よく印刷できるようになります。
この記事では、AutoCAD初心者の方に向けて、CTBファイルの基本から、自分専用の線の太さ設定ファイルの作り方、そして意外とわかりにくい保存場所や、データを共有するときの注意点まで、わかりやすく説明していきます。
AutoCADの印刷設定で大事な「CTB」って何?
AutoCADの印刷設定を理解するには、まず「CTBファイル」を知っておく必要があります。
CTBというのは「Color Dependent Plot Style Table(色従属印刷スタイルテーブル)」の略で、簡単に言うと「画面に表示されている色ごとに、印刷時の見た目を決めるルールブック」です。
たとえば、「画面で赤色(色番号1)の線は、印刷するときは黒色で太さ0.18mmにする」「画面で黄色(色番号2)の線は、印刷するときは黒色で太さ0.35mmにする」といったルールをまとめたファイルのことです。
このファイルを選ぶだけで、図面の中にあるたくさんの線の設定を一気にコントロールできるので、実際の仕事の現場でもよく使われています。
初心者の方がよく混乱するのが、「線の太さを決める方法がいくつもある」という点です。
AutoCADには「レイヤーで線の太さを決める方法」と「CTBファイルで色ごとに太さを決める方法」の大きく2つのやり方があります。
レイヤーで設定する方法はわかりやすいんですが、縮尺を変えて印刷したり、提出先によって線の太さのルールが違ったりすると、そのたびにレイヤー設定を変えないといけないのが面倒です。
一方、CTBファイルを使えば、図面データそのものはいじらずに、印刷するときに使うCTBファイルを切り替えるだけで、「提出用」「チェック用」「縮小印刷用」など、目的に合わせた印刷結果が得られます。
つまり、CTBは図面データを変えずに、柔軟に印刷表現を変えられる便利なツールなんです。
ちなみに、似たような言葉で「STBファイル(名前付き印刷スタイル)」というのもあります。
CTBが「色」で設定を割り当てるのに対して、STBはレイヤーやオブジェクトごとに「スタイル名」を付けて印刷結果を管理します。
STBの方が細かく管理できますが、設定に手間がかかるので、日本の建築や土木の現場では、色で管理するCTB方式の方が圧倒的に多く使われています。
まずはCTBの仕組みをしっかり理解することが、AutoCADの印刷トラブルを減らして、実務レベルの作図スキルを身につける近道です。
初心者でもできる!CTBファイルの作り方
自分専用の印刷設定を作るために、新しいCTBファイルを作ってみましょう。
既存のファイル(acad.ctbやmonochrome.ctbなど)をそのまま編集して上書きしちゃうと、標準設定が消えちゃう可能性があるので、基本的には新規作成で新しいファイルを作るのがおすすめです。
まず、AutoCADの画面左上にある赤いAのアイコン(アプリケーションメニュー)から「印刷」を選んで、印刷ダイアログボックスを開いてください。
または、レイアウトタブを右クリックして「ページ設定管理」からもアクセスできます。
印刷ダイアログボックスの右上にある「印刷スタイルテーブル」のプルダウンメニューを開くと、今使えるCTBファイルの一覧が出てきます。
このリストの一番下にある「新規作成」を選んでください。
すると「色従属印刷スタイルテーブルを追加」というウィザード画面が立ち上がります。
ここでまず「開始」の方法を選びますが、通常は「ゼロから作成」を選ぶか、既存の設定をベースにしたい場合は「既存の印刷スタイルテーブルを使用」を選びます。
たとえば、完全に白黒で印刷する設定を作りたいなら、既存の「monochrome.ctb」をベースにすると設定が楽です。
次にファイル名の入力画面になります。
ここで入力する名前が、印刷するときに選ぶリストに表示される名前になります。
「A3出力用_太線.ctb」とか「提出用_カラー.ctb」みたいに、何に使うのかが一目でわかる名前を付けるのがコツです。
会社やプロジェクトで共有する場合は、共通のルール(日付やプロジェクト名を入れるなど)に従って名前を付けましょう。
最後に「完了」をクリックすれば、新しいCTBファイルが作成されて、自動的に保存されます。
この時点ではまだ中身の設定(どの色がどの太さになるか)は初期状態なので、続けて詳しい設定をする必要があります。
ウィザードの最後にある「印刷スタイルテーブルエディタ」ボタンをクリックするか、作成後に印刷ダイアログの横にある編集ボタンをクリックして、設定画面に進みましょう。
**CTBファイル作成の流れ**
1. 印刷ダイアログボックスを開いて、印刷スタイルテーブルのプルダウンから「新規作成」を選ぶ
2. ウィザードに従って、「ゼロから作成」または「既存のファイルを使用」を選んで次へ進む
3. わかりやすいファイル名を入力して、完了ボタンを押してファイルを保存する
線の太さを自由に設定!CTBの編集方法
CTBファイルを作ったら、次は「印刷スタイルテーブルエディタ」を使って具体的な設定をしていきます。
このエディタ画面には「テーブル表示」と「フォーム表示」の2つのタブがありますが、「フォーム表示」の方が色ごとの設定を一覧で見やすく、直感的に操作できるのでおすすめです。
画面の左側には「画面上の色(色番号1〜255)」がリストで並んでいて、右側で「その色をどう印刷するか」というプロパティを設定します。
ここで一番よく調整するのが「色」と「線の太さ」の項目です。
まず「色」の設定ですが、これは印刷時のインクの色を指定するものです。
カラー図面じゃない限り、基本的には全部の色番号に対して「黒(Black)」を設定します。
これで、画面上で黄色や水色で描いてあっても、印刷するときは全部黒い線になります。
特定の線だけを目立たせたい場合(たとえば修正箇所だけ赤で印刷したい場合)は、その色番号(赤なら色番号1)のプロパティだけ「オブジェクトの色を使用」や「赤」に設定しておきます。
また、薄く印刷したい場合は「淡色(スクリーニング)」の数値を100から下げることで、グレーみたいな薄い表現ができます。
これは下図や背景図を薄く表現したいときによく使われるテクニックです。
次に本題の「線の太さ」の設定です。
製図のルールや会社のルールに基づいて、色番号ごとに印刷される線の太さを割り当てていきます。
一般的には、こんな感じのルールを決めて使うことが多いです。
– **色番号1(赤)**:0.1mm(細い線/寸法線やハッチングなど)
– **色番号2(黄)**:0.25mm(中くらいの線/文字や主要な線など)
– **色番号3(緑)**:0.35mm〜0.5mm(太い線/外形線や断面線など)
こんな風に、画面上の色ごとに役割を持たせて、それに対応する太さをCTBで決めます。
設定したい色番号を左側のリストから選んで(Shiftキーを使えば複数選択もできます)、右側の「線の太さ」プルダウンメニューから好きなミリ数を選びます。
ここで「オブジェクトの線の太さを使用」を選んじゃうと、CTBによる管理じゃなくてレイヤーやオブジェクトごとの設定が優先されちゃうので、CTBで全部管理したい場合は必ず具体的な数値を指定するようにしましょう。
設定が終わったら「保存して閉じる」をクリックすれば、カスタマイズしたCTBファイルの完成です!
CTBファイルの保存場所とデータ共有のポイント
作ったCTBファイルがパソコンのどこに保存されているか知っておくことは、PCを買い替えるときや、設定ファイルを同僚に渡すときにすごく大事です。
でも、AutoCADのインストールフォルダの奥深くにあるので、エクスプローラーから手動で探すのはちょっと大変です。
一番簡単で確実に保存場所を開く方法は、AutoCADの機能を使うことです。
アプリケーションメニュー(左上のアイコン)から「印刷」>「印刷スタイル管理」を選ぶか、コマンドラインに `STYLEMANAGER` と入力してEnterキーを押してください。
すると、CTBファイルが入っているフォルダ(Plot Stylesフォルダ)がウィンドウで表示されます。
このフォルダの中に、さっき作ったCTBファイルや、最初から用意されている `acad.ctb`、`monochrome.ctb` などが入っています。
作ったファイルをバックアップしたい場合や、他のパソコンにコピーしたい場合は、このフォルダから対象のファイルをUSBメモリや共有サーバーにコピー&ペーストするだけでOKです。
逆に、誰かからCTBファイルをもらった場合は、自分のパソコンで同じ手順でこのフォルダを開いて、そこにファイルを貼り付ければ、AutoCADの印刷ダイアログのリストにすぐ反映されて、使えるようになります。
AutoCADを再起動する必要もありません。
最後に、図面データを外部の協力会社やお客さんに送るときの注意点についてお話しします。
AutoCADの図面ファイル(DWG)の中には、CTBファイルの設定内容は保存されていません。
図面ファイルには「どのCTBを使うか」というファイル名の情報だけが記録されています。
なので、自分で作ったオリジナルのCTBファイルを使って印刷設定をしている場合、DWGファイルだけを相手に送っても、相手の環境にはそのCTBファイルがないので、線の太さや色が正しく再現されません。
図面を送るときは、必ず使っているCTBファイルも一緒に送って、相手のPlot Stylesフォルダに入れてもらうようお願いするか、AutoCADの「e-トランスミット(転送セット作成)」機能を使って、図面と必要なファイルをパッケージ化して送るのがマナーです。
このひと手間を惜しまないことが、スムーズなデータのやり取りとトラブル防止につながります。
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