AutoCADの外部参照についてお探しですね。
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AutoCADのチーム作業で必須!「外部参照」の使い方とトラブル解決法
他の会社から図面データをもらって開いたら、あるはずの図面が表示されなくて、変な文字列だけが出ていた…なんて経験ありませんか?あるいは、納品するときに複数の図面ファイルを1つにまとめたいけど、どうすればいいのか分からない…と困ったことはないでしょうか。
これらはすべてAutoCADの「外部参照」という機能に関係しています。
この記事では、複数人での設計作業やデータのやり取りで絶対に知っておきたい外部参照の基本から、よくあるリンク切れの直し方、そして最終的に図面を1つにまとめる「結合(バインド)」のやり方まで、実際の仕事で使える形で分かりやすく説明していきます。
そもそも「外部参照」って何?使うとどんないいことがあるの?
AutoCADの外部参照(Xrefと呼ばれます)は、今開いている図面の中に、別の図面ファイルを「リンク」として表示させる機能です。
普通の「ブロック挿入」とは違って、図面データそのものを中に取り込むわけじゃないので、ファイルサイズを軽く保てるのが特徴です。
でも、それよりもっと大事なのが「チームで設計するときの効率が劇的に上がる」というメリットです。
例えば、大きな建物の設計プロジェクトを想像してみてください。
柱や壁の位置などを描いた基本図面を外部参照として設定しておきます。
すると、設備担当の人や電気担当の人は、その基本図面を見ながら自分の担当部分(配管や配線など)を描いていけます。
もし基本設計に変更があっても、元の基本図面を修正するだけで、それを参照している全員の図面に自動的に最新の状態が反映されるんです。
これなら修正漏れも防げるし、みんなで同時に作業できるので効率的ですよね。
ただし、この便利さは「元ファイルとリンクしている」ことで成り立っています。
だから、ファイルの保存場所を変えたり、ファイル名を変更したりすると、AutoCADが参照元のファイルを見つけられなくなって「リンク切れ」というトラブルが起きてしまいます。
まずはこのリンク切れの直し方から見ていきましょう。
図面が表示されない!「リンク切れ」が起きる理由と直し方
図面を開いたとき、外部参照しているはずの図形が表示されず、代わりにファイルのパス(場所を示す文字列)だけが表示されている…これが「リンク切れ」の状態です。
参照元のファイルが指定された場所にない、または名前が変わってしまったことが主な原因です。
これを直すには、AutoCADに「正しいファイルの場所」を教え直してあげる必要があります。
ステータスが「見つかりません」になっている時は
まず「外部参照パレット」を開いて状況を確認しましょう。
コマンドラインに「XREF」と入力するか、[挿入]タブの[参照]パネルにある矢印マークのアイコンをクリックしてください。
パレットが開くと、参照されているファイルの一覧が表示されます。
ここでファイル名の横に「見つかりません」や「ロードされていません」と表示されているものが、リンク切れを起こしているファイルです。
よくあるのは、会社のサーバーのフォルダ構成を変更したときや、USBメモリなどでデータを持ち出したときに、ドライブ名(DドライブやEドライブなど)が変わってしまうケースです。
特に、他の会社からデータをもらった直後は、相手の環境でのパス設定がそのまま残っているので、ほぼ確実にリンク切れが起きます。
パスの種類と修正のやり方
リンク切れを直すには、外部参照パレットで該当するファイルを選んで、「保存パス」の欄を修正します。
右端にある「…」ボタンをクリックして、正しい場所にあるファイルを選び直せば、図面が再表示されます。
ここで重要なのが「パスの種類」です。
AutoCADには主に「絶対パス」と「相対パス」の2種類があります。
**絶対パス**は「C:\Project\Zumen\Base.dwg」のように、ドライブ名からすべての住所を指定する方法です。
確実ではありますが、フォルダごと別のドライブに移動するとリンクが切れてしまいます。
一方、**相対パス**は、今開いている図面から見て参照ファイルがどこにあるかを指定する方法です。
プロジェクトフォルダごと移動しても、フォルダ内の階層構造さえ変わらなければリンクは維持されます。
チームで作業したりデータを共有したりする場合は、トラブルが少ない「相対パス」に設定しておくのがオススメです。
納品前の必須作業!外部参照を「結合(バインド)」する方法
設計中は便利な外部参照ですが、図面を取引先に納品するときは話が別です。
そのままだと相手先でリンク切れを起こしてしまいます。
相手に同じフォルダ構成を用意してもらうわけにもいかないので、納品時には参照している図面をすべて現在の図面内に取り込んで、1つのファイルとして完結させる処理が必要です。
これを「結合(バインド)」と呼びます。
結合の基本的な手順
結合の操作自体はとても簡単です。
まず、すべての外部参照ファイルが正しくロードされて表示されていることを確認してください。
ロードされていない状態だと結合できないので、必要に応じて「再ロード」を行います。
準備ができたら外部参照パレットを開きます。
結合したいファイル名を選んで(複数選択もできます)、右クリックでメニューを表示させます。
メニューの中にある「バインド(B)…」を選んでください。
すると「外部参照/DGN アンダーレイをバインド」というウィンドウが出てきて、「バインド」と「挿入」のどちらかを選ぶように求められます。
ここでの選択によって、取り込まれた後のデータの扱いが大きく変わるので注意が必要です。
要注意!「バインド」と「挿入」の違い
この選択肢は、結合後の画層名の扱いに大きな違いをもたらします。
それぞれの特徴を理解して使い分けましょう。
**●バインド**
参照元の画層名を維持しつつ、区別できるように変換します。
例えば「壁」という画層は「参照ファイル名$0$壁」のような名前に変わります。
画層名の重複を防げるので、元図面の設定を厳密に残したい場合に適していますが、画層名が長くなって画層数も増えるので管理が面倒になります。
**●挿入**
参照元の画層名を、現在の図面の画層名に統合します。
参照元に「壁」画層があって、現在の図面にも「壁」画層がある場合、それらは1つの「壁」画層として扱われます。
画層名に余計な記号がつかず、データがシンプルにまとまるので、普通の納品用データを作るときはこちらがよく使われます。
ただし、線種や色の設定が現在の図面の設定に上書きされる可能性があるので、表示が変わらないか確認が必要です。
トラブルを防ぐために知っておきたいコツ
外部参照を使いこなすには、結合やリンク修正以外にも知っておくべきポイントがあります。
特に、複数の図面がお互いを参照し合っているような複雑な状況では、「循環参照」のエラーが出ることがあります。
A図面がB図面を参照して、B図面がA図面を参照している…みたいな状態です。
これが起きるとAutoCADが処理できなくなるので、参照関係は常に一方通行になるよう、プロジェクトの最初にルールを決めておくことが大切です。
また、**「e-transmit(転送セット)」**という機能もとても便利です。
これは、今開いている図面と、そこで使われている外部参照ファイル、プロッター設定ファイル、フォントなどを自動的に集めて、1つのZIPファイルなどにまとめてくれる機能です。
[ファイル]メニューの[転送セット]から使えます。
この機能を使えば、わざわざバインド作業をしなくても、リンク関係を維持したまま安全にデータを第三者に渡せます。
編集可能な状態でデータを渡したい場合は、結合ではなく転送セットの利用を検討してみてください。
さらに、外部参照をバインドした後には、不要な画層やブロック定義が残ってしまうことがあります。
データ容量を減らして図面をきれいにするためにも、バインド作業の最後には必ず**[名前削除(PURGE)]コマンド**を実行して、不要なデータを掃除する習慣をつけるといいでしょう。
これで、受け取る側にとっても扱いやすい、プロらしい図面データが完成します。
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